「使える」人は、変化に柔軟に対応できる人
「使える、使えない」といった言葉は、よく聞きます。特にクライアントに多いです。たとえば、ある会社の課長が部下のことを「あいつは使えない」と言います。ほかの会社では部下の側が、上司を「使えない」と愚痴をこぼす場合があります。このような場合は「使える、使えない」の基準は相対的なものであり、客観化されたものではないように思います。課長が部下のことを「この4月に入った新人は使えない」と言っているならば、新人も同じように感じているかもしれませんね。
「使える、使えない」の基準に絶対的なものがある場合もあります。たとえば、プロジェクトメンバーの中でも、貢献する人とそうでない人がいます。通常、プロジェクトは互いのメンバーが利害関係で一致しているものです。ところが、自分のことだけを考え、既得権にしがみつき、協力しようとしない人もいます。
こういう人は「使えない」と私は思っているのです。
「使える」人は、変化に柔軟に対応できる人です。会社員の中には、所属する会社や部署のフレームワークでしか、物事を考えることができない人がいます。思考パターンが固定化されてしまっているように思います。脳も臓器の一種ですから、「生活習慣脳」と言えるのかもしれません。たとえば、在宅勤務が普及しても、会社に出社しないと心が落ち着かないと感じるような人です。
あるいは、マイナス表現を繰り返す人もいます。「うちの会社はもう、終わっています」と言い続け、その職場に5年程残り、退職したようです。前向きな、建設的な批判ならばわからないでもないのですが、ただ「終わっている」と愚痴をこばし続けるのは問題があります。仕事だけでなく、人間関係にもゆきづまるでしょうね。
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