給料なしでもチャレンジしたいプログラム
ついに、“入社前”となった1年間の海外武者修行
総務人事室 人事部 望月 英史さん
入社前の1年間海外武者修行(通称:アドベンチャースクール)は試行錯誤の結果、現在の形になっています。しかし、これで完璧などとは考えていません。プログラムの期間は1年でいいのか、参加するのは大卒だけでいいのか、新卒採用の内定者だけでいいのか、という思いもあります。プログラムの期間や年齢幅を柔軟にして、本気でチャレンジしたい人が参加できるようにする、などと今後の展開への考えは尽きません。
プログラムは当然、安全第一でなければいけません。しかしそれを言い過ぎると、結局は、何もやらないのが一番安全という情けない話に陥ってしまいます。安全面については、参加者自身が徹底的に考え行動し、運営側は「手を出さない目を離さない」というスタンスで、メンタル面も含めたサポート体制でチャレンジし続けています。
当然ですが、参加者には成果が求められます。しかしそれを言い過ぎると、TOEICスコア等、数値だけがひとり歩きするような、これまた情けない話に陥ってしまいます。人事としても、入社後の配属を含め検討の余地があるのでは、など課題は山積と感じています。
では、“本物の成果”とは何なのか? 海外武者修行(アドベンチャースクール)は20年間、“本物の成果”を目指して、思い切って、前例のない領域にパイオニアとして踏み込んできました。これはやはり、トップオーナーの「俺が責任取るから、お前らやってみなはれ!」という熱い想いが、企業文化の中にあるから、チャレンジできているのだと、強く思います。
能動的に動き切り開く術を学んだ
自動車機器営業管理室 喜田 亜紀さん(2007年入社)
行動しないと何も生まれない、何も始まりませんでした。ノープランで飛行機に乗りカナダのトロントにあるホームステイ先に。必ず会社が何か用意してあるはず、という期待は完全に裏切られました。週に1回、現地の外国人カウンセラーと面談をするだけしか、予定はありませんでした。人生で初めて孤独感に苛まれる日々を経験しました。
自分から声をかけなければ友達はできないと思い、出会いを大切に積極的な行動をとるよう心がけ、小学校の図書館で書籍整理のボランティアをしながら語学力を身に付けていきました。カナダは、授業の一環だと思いますが低学年の子が、好きな本についてプレゼンします。みんなの前に出て、本を選んだ理由や内容などを説明します。こんな時期からプレゼンの教育をしているのだと、驚きでした。
図書館では破棄される書籍は、かなりの数になります。“これを集めてどこかに届けたい”、と考えてボランティア団体を探しているとき、ホームステイ先の親戚に、ガーナの孤児院を紹介してもらいました。計画を立てカウンセラーを説得して集めた英語の本400冊と共に自らがガーナに飛び、孤児院で子供の為に、図書館を始めました。多くの喜ぶ顔を目にして、やりがいと生きがいを実感。また、生きる力、自分の行動が人に与える影響などを学べました。感謝です。
振り返ってみれば、プログラムというより、人生の修行でした。
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