2024年12月23日(月)

人事部必見! 御社の研修ここが足りない

2012年6月28日

 自動車関連部品から電線、ガス機器、太陽熱利用機器まで、多彩な製品を開発・製造する矢崎総業。BtoBビジネスとあって派手さはないが、自動車のワイヤーハーネスでは世界トップクラスのシェアをもつ実力企業。生産拠点は世界39カ国に及び、全世界で事業展開するグローバル企業でもある。当然の如くグローバル人材は必要不可欠。その育成は語学力よりも人間力を身に付けることに基本を置いている。                      

【会社データ】 矢崎総業株式会社  *2012年6月現在
設 立 :1941年10月8日
資本金 :31億9,000万円(非上場)
所在地 :本社=東京都港区三田1-4-28
ワールドヘッドクォーターズ=静岡県裾野市御宿1500
グループ企業数:162社(国内75社)
グループ社員数:19万2,500人(国内2万1,300人)
連結売上高:1兆903億円
事業内容:自動車用部品、電線、ガス機器、空調機器、太陽熱利用機器の製造販売

海外研修プログラムでの語学習得は二の次でよい

 矢崎総業の海外進出は1962年と早い。まだ1ドル360円の固定相場制であり、どの企業も生産拠点は国内にしか目を向けていなかった時代だ。高度経済成長の前にもかかわらず、やがてくるグローバル化をにらみタイでの生産を開始している。現在、海外拠点は全大陸を網羅する421カ所というワールドワイド企業。それだけに社員に求められる要素は、経営管理・技術だけでなく、海外を見据えたグローバル的な発想である。国内社員は2万人、海外社員は17万人。

YAZAKIのグローバル人材育成研修プログラム(出所:会社資料よりウェッジ作成)
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 実施するグローバル人材育成研修プログラム(表参照)は8種類。このうち入社前の内定者を対象に実施する「アドベンチャー・スクール」は、世界に通用する社会人として必要な成長への基礎を作ることを目的としている。そのほか海外事業所の現地スタッフが日本で学ぶ矢崎企業文化研修、短期的な語学習得に力点を置く研修など目的別に効果的なプログラムが用意されている。

 注目したいのは「アドベンチャー・スクール」だ。一般的にグローバル人材を育てるイロハのイは語学力と捉えるが、この研修プログラムでは語学力を必ずしも重視していない。とはいってもプログラムを開始した20年前は、語学習得を最大の目的にしていたという。「当初は内定者の英語力向上を目的に短期間の海外研修を集団で受けさせていました。それが異文化対応力、創造力、チャレンジ精神、自主性も目的の項目に追加されていき、現在の姿になったのです」と担当である人事部の望月英史さんは説明する。


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