2024年12月4日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年7月4日

 ただ、後から否定するための導入部なのでしょうが、シリアの現政権崩壊について、米国の戦略的利害と人道的利害が一致すると言っている点については、それも書き過ぎであるように思われます。それは、アサド政権転覆後のシリア政権が期待されているように、ハマス支援、ヒズボラ支援をやめて、西側と協力的になるという保証が全くないからです。

 シーア派政権でなくなることは確かとしても、反イスラエルのムスリム同胞団系の政権ならば、ハマス支援はもっと強まるでしょう。そして、新政権が、レバノンにおいて、ヒズボラでなくキリスト教勢力などの支持に変わる可能性も全く保証されていません。

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