2022年8月18日(木)

Washington Files

2020年8月31日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

3.バイデン氏が選挙人獲得数でも小差ながら勝利した場合

 トランプ陣営は、共和党が多数を制するミシガン、ペンシルヴェニア両州の州議会に対し、民主党陣営とは異なる開票結果を連邦議会宛てに発出させると同時に、ウイリアム・バー司法長官に対しては、「投票者不正voter fraud」容疑で捜査開始を命じる一方、両州における集計作業の途中凍結措置を命じる。

 この間、ミット・ロムニー氏ら穏健派の共和党議員4人がこの措置に抗議し、バイデン支持を表明する。同時に民主党陣営は全米で400万人規模の街頭抗議集会を繰り広げる。

 米統合参謀本部内では、トランプ氏の常軌を逸脱した行為に反発、幹部が次々に辞任のうわさが広まり、メディア向けにその動きがリークされる。

 一方で「バイデン内閣」が組閣され、マサチューセッツ州知事ら共和党穏健派有力者たちが民主党陣営に鞍替えして入閣、超党派政府が始動する。そして、バイデン政権下で、トランプ氏個人およびファミリーのトランプ政権発足以前および在任中の不正な不動産取引、脱税容疑などさまざまな「罪状」について徹底捜査を開始。

4.郵便投票の遅配、集計作業の混乱に伴う開票結果の「正当性」論議

 全米の有権者の間では、コロナ感染拡大予防措置の一環として11月3日に投票所に足を運ぶのを避け、郵便投票を望む声が高まってきている。このため、すでに45州がこれを認める裁定を下している。

 しかし、投票日前投票の受付開始日をできるだけ繰り上げることを要求する民主党側と、これに難色を示す共和党側との対立が先鋭化したまま投票日を迎える。

 一方、有権者が当日投票する投票所は、コロナ禍の影響で整理員、監視員などボランティア要員が絶対的不足状態となるほか、例年以上に急増が予測される郵便投票、不在者投票の遅配および集計作業の遅滞などで混乱状態となる。

 即日開票分でトランプ氏の優勢が伝えられたとしても、全体の30%以上を占めるとみられる郵便投票、不在投票分の開票が1週間以上かかるため、両陣営の勝敗決着は先送りになる。

 数週間後にようやく全州での開票作業が終了、各州ごとに振り分けられた選挙人数を集計した結果、「バイデン勝利」が宣告される。

 トランプ陣営はただちに開票結果の[正当性legitimacy]に疑義を呈し、連邦地裁に選挙結果不当の仮処分申請を出す。却下されれば最終的に最高裁審理にまで持ち込む。

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