2022年8月13日(土)

From NY

2020年9月27日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『挑戦者たち-男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で2018年ミズノスポーツライター賞受賞。

米国内の犠牲者は20万人を超えたが…

 トランプが屋内集会を行ったのは、6月のオクラホマ州タルサ以来のことだ。この集会にマスク着用せずに出席した元共和党予備選大統領候補、ハーマン・ケイン氏は11日後にCOVID-19の陽性診断を受け、7月30日に亡くなっている。

 米国内でCOVID-19で亡くなった犠牲者は、9月22日に20万人を超えた。だがトランプ大統領はマスク着用の重要性を説くどころか、その前日21日にオハイオ州の聴衆の前で、「このウィールスの影響を受けた人間は、ほとんど誰もいない」「影響を受けたのは、心臓疾患などを抱えた老人だけだ」と発言して、遺族たちから多くの非難がよせられた。

 本稿を執筆現在、ラスベガス近郊での集会から11日が経過したが、そろそろネバダ州で感染率が上がってくるのではないかと恐れる声は大きい。

 これから再び冬に向かおうとしている現在、本格的な第二波がいずれくることは間違いない。それでもアメリカ人の半分近くは、マスクを否定し続けている。ニューヨークのみでマスク着用を徹底させても、米国全体での感染率は当分改善されそうにない。

 現在ニューヨーク、ニュージャージ、コネチカットの3つの州は、感染率が増えている38の州とグアム、プエルトリコから移動してきた人に、2週間の自己隔離を義務付けて違反者には罰金も設置している。せめてもの水際対策だが、どこまでモニターが行き届き、強制力があるのかはわからない。

 11月の選挙でジョー・バイデン大統領誕生となったとしても、トランプ支持者たちにマスク着用を強いることはできないだろう。銃の規制と同じで、厳しくしようとすればそれだけ反発も大きくなるだけだ。これほどの犠牲者を出しても、先が全く見えないというのが米国の厳しい現実なのだ。

  
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