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2020年5月24日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

ジャーナリスト

千葉商科大学教授(4月から)。1987年日本経済新聞社に入社。フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務め、11年に独立。著書に『2022年、働き方はこうなる』(PHPビジネス新書)など。

【佐藤真衣・雲林院奈央子(さとうまい・うんりんいんなおこ)】 大学時代からの友人で、それぞれ社会人経験を積んだのち起業。その後、2016年に共同社長としてシェアウィングを立ち上げる (写真は芝・正傳寺本堂。左が佐藤さん、右が雲林院さん。 写真=湯澤 毅)

 コミュニティの中核だったお寺の生き残りを手伝えないか─。2人の女性経営者が立ち上がった。「お寺ステイ」。全国の寺院を宿泊施設として活用し、海外から日本にやってくる外国人観光客らに提供する。厳しいお寺の経営状況をいくらかでも改善すると共に、日本の精神文化を発信する拠点にもなる。

 雲林院奈央子さんは上智大学卒業後、ワコールに入社。26歳の時にアンダーウェアの企画などを行うシルキースタイルという会社を創業した。シェアリング・エコノミーに関心があった奈央子さん、好きな寺社巡りに出かけた際に、日本各地には魅力的なのに知られてないお寺が多くあることを知り、宿泊施設などとしてもっと活用できるのではないか考えていた。ある日SNSを見ていると、同じような意見を学生時代からの友人が書き込んでいるのに出くわした。

 佐藤真衣さん。早稲田大学を卒業後、投資ファンドなどを経て岩盤浴設備の企画施工会社の社長を務めていた。意気投合した2人はお寺を舞台にシェアリング・エコノミーを進める会社を設立することになった。2016年6月のことだ。社名はシェアウィング。社長も「シェア」して2人で共同社長を務めることになった。ソーシャル・メディア企業のガイアックスから出資も受けた。

 今、全国の寺院の多くが存亡の危機に直面している。人口減少、宗教観の変化で「檀家(だんか)」が激減していることが大きい。地方にある先祖代々の墓地を東京に移す「墓じまい」も流れになり、地方を中心に住職がいない「無住寺」や、寺を存続できずに潰(つぶ)してしまう「廃寺」が増えているのだ。

 「このままではジリ貧だと感じているお寺さんが多いのですが、何か始めるとなるとなかなか着手できないところがほとんど」だと奈央子さんは語る。

 さっそく「営業」に取りかかった2人だったが、壁にぶち当たる。一般の企業と違い、お寺はビジネスという感覚が乏しい。何時間も話し込み、何日も足を運んでも話が進まない、といったことが続いた。

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