単なる杞憂に終わってほしい
前出の関係者もこう続ける。
「このツイートと動画サイトによる情報が発信されてから約半日後、民放局が『コロナ対策調整会議』で検討を進めている東京五輪での医療体制の原案を独自入手し、その中で大会期間中は実に80万人もの外国人が来日するという試算があり、大幅な感染拡大が不安視されていると報じた。一部夕刊紙も24日付で東京五輪の開催断念と2032年再招致プランが浮上していることを大々的に報じ、ここにきて五輪中止をさらに煽るかのようなネガティブな情報が堰を切ったように出始めている。
一部のメディアも『東京五輪の開催は是が非か』をテーマにアンケートを取り、実に半数以上が『NO』を突きつけていると断じたほど。何か徐々に外堀を埋められているようなムードになっており、大会組織委員会の中でも『さまざまな筋から大会中止へ向けた観測気球を上げられているような不気味さがある』とささやかれている。
政府、そして(大会組織委員会の)幹部は『大会中止』のウワサの打ち消しのため必死になって否定しているが、本当は残念ながら全てを分かっているわけではない。我々はこうしたネガティブな情報の噴出がバッハ会長の来日で〝爆弾〟が投下される布石へと繋がってしまうのではないかと懸念している」
ちなみにバッハ会長については24日から予定されていた韓国訪問を欧州での新型コロナウイルス感染者の急増で海外渡航が難しくなったため急遽取りやめたことも、同国メディアによって明らかにされている。その〝真の理由〟も諸説入り乱れているが、韓国国内では「残り1カ月を切った次の訪日に備え、IOC内部で日本への大会中止通告をさらに煮詰める必要性があったためでは」とうがった見方が出ているようだ。
単なる杞憂に終わってほしい。バッハ会長の来日を前に大会組織委員会を含むJOC(日本オリンピック委員会)など運営側の関係者、オフィシャルスポンサー、そして政府もそのように祈るような思いを高めつつ、戦々恐々となっているのは間違いない。
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