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2020年11月5日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

トランプは嫌だが共和党は支持

 そのため富裕層は決してトランプを支持するわけではないが、民主党よりも共和党政権の方が自分たちに有利、という理由からトランプに投票する。筆者の友人は「一番良いのはトランプが再戦された後に弾劾されてペンスが大統領に就任すること」だと語っていた。トランプは嫌だが共和党は支持、という層が多いことが世論調査からは抜けていた。

 もう一つ、「自分は愛国者だ」と思っている人に、トランプに投票した人が多い。トランプの政策は酷評されはしたが、「国益を犯す外国人の排斥、国力増強、貿易戦争に打ち勝つ」など愛国的なものが多い。なぜ米国が世界の警察として治安を負担しなければならないのか、貿易赤字を背負って他国の経済的発展を支えなければならないのか、と疑問に感じていた人は多い。トランプが次々に打ち出す政策は、彼らにある種のカタルシスを与えたことも事実だ。

 興味深かったのは、「日本はどちらの大統領を望んでいるのか」と問われ、「メディアなどの報道を見る限りバイデン当選を好意的に見ているようだ」と答えたところ、「バイデンが大統領になれば親中国になる。バイデンの息子は中国ビジネスで多額の利益を得ている。そうなれば日本にとっては不利なはずなのに、なぜ日本はトランプ再選を望まないのか」と言われた。

 確かに安倍前首相とトランプ大統領の蜜月ぶりなど、日米関係を考えれば日本政府はトランプ再選を願っても良さそうだ。しかしそれを言うのは憚られる雰囲気があるのか、あるいはトランプよりバイデンの方が読みやすい、つまり相手をしやすい、という思いがあるのか。考えてみれば日本はトランプ政権からそれほど不利益を被っていない。国際的にもイスラエル、北朝鮮などはトランプ再選の方が自国に有利と考えているはずだ。

 トランプは国を分断した、と批判されるが、これも考えてみれば感情論であって事実に即しているとも言い難い面がある。貧富の差では、99%運動(国の人口の1%が国の財産の半分を所有している、という格差解消運動)が始まったのはオバマ政権時代だし、人種差別は米国建国時から常に存在している。共和党支持が多い中高年に対し民主党支持が圧倒的な若者世代、という構図も目新しいものではない。

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