歴史が検証するトランプ政権
バイデン氏は大統領候補者討論の中で石油会社を「環境を汚染する企業」と語ったが、脱炭素を性急に進めれば多くの失業者が出てそれこそ国を分断する一大議論に発展する可能性がある。それぞれの政策には元々賛否両論があり、それが時には抗議デモを生んだり人々の不満を燻ぶらせることになるが、トランプ時代にはそれが顕著に出ただけ、という見方もある。
唯一はっきりと失敗したのはコロナ対策だが、これは米国に限らず多くの欧州諸国も失敗している。そしてもし政権が厳しい外出制限などを率先して行ったとしても、国民の不満が爆発していただろうことに変わりはない。つまりコロナ対策と経済の両立を考えると正解は存在しないに等しい。
11月3日、勝者が確定しなかったために暴動などの大きな騒ぎは起こらなかった。開票作業が進みバイデン氏が当確となっても、トランプ政権は理由をつけてゴネるだろうし、そのときになってまさに国を両断するような騒動が持ち上がる可能性は否めない。しかしトランプ政権の4年間が本当に「壊滅的」で国力を衰えさせることになったのか、そうでないのかは、今後の歴史の中で検証されていくことになるだろう。
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