2022年7月2日(土)

前向きに読み解く経済の裏側

2021年1月2日

»著者プロフィール
閉じる

塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

消費者はお金を持っている

 新型コロナ不況がリーマン・ショック等と異なるのは、多くの人がお金を持っている、ということです。「お金がないから消費できない」のではなく、「お金はあるけれども新型コロナや自粛警察が怖くて消費できない」というわけですね。

 そんな中で、人々の背中を押してくれるのがGo To キャンペーンです。政府が払う補助金が直接的な効果をもたらすのに加えて、政府が旅行等に「お墨付き」を与えていることにも非常に大きな効果があるはずです。

 政府が自粛要請をしないばかりか、「補助金を出すから旅行等へ行きなさい」と言っているわけですから、人々は「コロナを怖がっていても仕方ない。自粛警察も黙るだろうから、旅行に行こう」と考えるようになるわけですね。

 その意味では、感染者が増えても政府がGo To キャンペーンを廃止するのではなく、一時停止にとどめたことは、経済にとって大きなプラスだと言えるでしょう。

インバウンドはないがアウトバウンドもない

 海外での感染拡大状況を見ると、外国人観光客は当分の間は入国できそうもありません。よほど素晴らしいワクチンが開発されたとしても、入国再開までは相当長い時間を要するでしょう。

 一時期は景気の牽引役であったインバウンド消費が回復しないというのは、困ったことであるには違いありません。しかし、過度に悲観する必要も無いでしょう。世の中の多くの出来事には、悪い面があれば良い面もあるからです。

 外国人観光客が来ない一方で、日本人の海外旅行も当分の間は困難でしょう。そうであれば、海外旅行に行くはずだった日本人は、予算が余っている上に楽しいことができずに欲求不満が溜まっているはずですね。

 そうした人々は、国内旅行に行ったり高級食材で家飲みを楽しんだり、国内の消費を増やす方向に貢献すると期待して良さそうです。

関連記事

新着記事

»もっと見る