LGと大手自動社部品メーカーの提携
その象徴となりそうなのが、韓国LGと自動車部品メーカー大手のマグナ・インターナショナル(カナダ)による提携発表だ。このジョントベンチャーは総額10億ドルとも言われる。内容は両社が協力してEV向けのモーター、インバーター、オンボードチャージャーを製造し、EVプラットホームとして販売する、というもの。米中及び韓国での販売を目指す。
ジョイントベンチャーによりGM、ランドローバー、ジャガーなどへのEVのプラットホームの提供が予定されているが、他の企業への浸透も図っており、EVの共通プラットホームとなる可能性もある。もしアップルがこのプラットホームを採用するようなことがあれば、一気に世界のトップに躍り出るかもしれない。
しかもこれからのEVは自動運転とセットとなる。アップルが最初から自動運転を組み込んだ車を発売する予定だ、と報道されているが、テスラも自社の自動運転の精度を今後どんどん上げていき、ソフトウェアのアップデートを行う。またウェイモ(グーグルの自動運転部門)は以前から自動運転車両のデモンストレーションを行っているが、自社で車を販売するよりもこの自動運転システムを他社に販売するのが目的だ。
そのため自動車メーカーには車体の開発だけではなくAI、IoT、スマートハイウェイのためのインフラなど様々な要素が付加される。総合的に時価総額も上がり、ディース氏の予言通り世界のトップ企業に名を連ねることになるかもしれない。それがアップルなのか、テスラなのか、それともトヨタを含む既存の大手メーカーなのか。自動車業界が大きな変革の中にあることだけは確かだ。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。