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2021年1月14日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

注目度が高いEVの分野

 しかしこうした家電製品よりもLGへの注目度が高いのが、EVの分野だ。マグナ社の記者会見では主にLGとの提携によるEVプラットホーム作りが紹介された。世界最大の自動車パーツ製造企業であるマグナとLGの電機関連の強みを併せ、EVの核となるシャーシ、モーターを組み込んだプラットホームを作り、自動車メーカーなどに提供しようというものだ。

 こうしたプラットホームは今後のEV普及のカギとなる可能性がある。多くの新興EVメーカーがプラットホームの提供を提案しており、例えば米国のリビアンはフォードに対しリンカーンモデル用プラットホーム提供を発表した。コロナによる生産の遅れなどで実現はしていないが、メーカーにとってはプラットホームがあればそこに自社デザインのボディを乗せるだけでEVが生産できる。マグナとLGがこの事業に乗り出した意味合いは大きい。

 またゼネラル・モータース(GM)のメアリー・バラ会長による基調演説の中で、GMとLGが合弁事業として米オハイオ州にEV用バッテリー工場を建設することも発表された。GMは独自にEVプラットホームの製造に乗り出しており、この部分ではマグナ・LGの合弁と競合するのだが、バッテリー部門ではLGの技術の導入を決めた。GMは2025年までに30モデルのEVを発表する、としており、バッテリー生産を自社で行うことが必要不可欠となる。

 現在EV用バッテリーの製造メーカーとしてはパナソニック、LG、中国のCATLがビッグ3となっているが、テスラとGM双方にバッテリーを供給することになるLGが競争から一歩抜け出る可能性がある。

 IoTの分野でも、LGのコネクティビティ技術は強みを見せるだろう。現在LGではThinQと呼ばれるアプリでIoTを提供している。家電をつなぎ、ひとつのアプリで家の中外のデバイスをコントロールできる、というものだ。これを車の車内エンターテイメントシステムと連動させることで、車から家の家電も操作できる。この分野ではLGはBMWと提携しており、自動運転の部分にも一部関わっている。

 日本ではまだ知名度の低いLGだが、米国でのプレゼンスは大きく、欧州や発展途上国でも家電製品では高いシェアを誇っている。今後EV普及が進めばLGはさらに成長する要素を十分に持つ企業だ。 

  
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