2024年11月22日(金)

田部康喜のTV読本

2021年1月19日

舞台役者による迫力シーンと解かれる謎

 それは、勉強一筋に見えた、三村翔子(吉柳咲良)だった。中学受験をしていたときに親友になった女生徒が、志望校に受かり、三村は落ちて高校で再挑戦しようとしていた。この友人の官僚の父親が汚職事件に巻き込まれて、メディアや世間の非難を浴び、友人も中学でいじめにあった末に自殺した。嶋田に対して、三村は親友のうらみを晴らそうとした、というのだった。しかし、嶋田は、三村が動画をアップしたときに、成績が落ちてきたことを指摘して「うさばらしにやったんだろう」と指摘する。

 「ブルーナイト」によって、人生をめちゃめちゃにされた男が、包丁を手にして中学校に乗り込んでくる。「三村翔子を殺す。出てこなければ他の生徒を殺す」と、校内放送で声をあらげる。

 生徒たちが階段を下りて逃げる群像シーンが凄まじい。三村の手を引きながら階段を駆け下りる嶋田(藤原)、生徒を誘導する浅村(真木)や副校長の福島(峯村)らの演技が魅せる。

 包丁を持った男と出くわした、嶋田(藤原)は、三村を男の前につきだす。三村に「お前が撒いたタネだから、責任を取れ」と。男の包丁がまさに、三村を突き刺そうとする瞬間に嶋田の警備棒が男のからだに炸裂する。

 着任早々の嶋田が、校長室や職員室に盗聴マイクを仕掛けたのはなぜなのか。音楽室でモーツアルトの「レクイエム」をピアノで弾いていた、奈良橋英里(長澤樹)が嶋田に対して「この学校には無念の死を遂げた人がさまよっている」という。その人物とは。

 実力派舞台俳優たちと、謎の言葉を告げる美少女・奈良橋英里役の長澤樹をはじめとする、次世代を担う若手俳優たちが織り成す、サスペンスの展開が楽しみである。

  
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