田部康喜のTV読本

2021年1月19日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

(hansslegers/gettyimages)

 「青のSP-学校内警察・嶋田隆平―」(フジテレビ・関テレ制作、毎週火曜よる9時)は、警視庁捜査一課の敏腕刑事・嶋田隆平役の藤原竜也が志願して中学校の駐在警官・スクールポリスとなって、赴任先の赤嶺中学校の隠された謎を解き明かしていくサスペンスである。

 演出家・蜷川幸雄によるシェークスピア劇の数々の主役をこなして、ロンドンのグローブ座の進出も果たした、実力派舞台俳優の藤原だけではなく、ヒロインの国語教師・浅村涼子役の真木よう子もまた、仲代達也が主宰する「無名塾」出身の舞台俳優である。副校長・福島美津子役の峯村リエは、松尾スズキ演出の舞台などで活躍している。

 藤原竜也の鍛えられた肉体から繰り出される、アクションもこのドラマのみどことである。生徒たちと繰り広げられる、群像劇のなかでも、舞台俳優たちが核となって一糸乱れぬ映像に仕上がっている。

 第1話(1月12日)は、冒頭から夜の歓楽街の路地裏で、近所の名門中学校の男子生徒が仲間から恐喝を受けているシーンとなる。非行防止策として「夜回り」を続けている、教師の浅村(真木よう子)は止めに入ろうするが、ナイフを突きつけてくる生徒にしり込みする。酒に酔った背広姿の嶋田(藤原竜也)が登場して、恐喝の生徒たちを足蹴りや逮捕術によってなぎ倒して、手錠をかける。さらに、所轄署の生活安全課少年係の三枝弘樹(山田裕貴)を呼びつけて引き渡す。

 「逮捕はやり過ぎではないか」と詰め寄る、浅村(真木)に対して、「犯罪は犯罪だ」と取り合わない、嶋田だった。法律によって律しようとする嶋田と、情によって少年を立ち直らせようとする浅村の「対立軸」がはっきりとする瞬間だった。

 逮捕した生徒の今後について、三枝(山田)から尋ねられた嶋田は「名門中学だから退学は免れないだろう。少年院に入るかもしれない」とにべもない。

 赤嶺中学校の生徒集会の席に制服姿で現れた、嶋田(藤原)は、校長の木島敏文(高橋克実)から、日本で初めてのスクールポリスだと紹介される。藤原は生徒に向かって、「君たちを外部から守るが、法律違反があれば逮捕する」という。

 数学教師の一ノ瀬悟(石井正則)が、授業中にまじめに聞いていない生徒を叱責すると、ひとりの男子生徒が窓を壊し、一ノ瀬に襲いかかる。嶋田がかけつけて、たちまち生徒を器物損壊と暴行容疑で逮捕、所轄署の三枝(山田)に引き渡す。

 教室にいた何者かが「ブルーナイト」というアカウントで、嶋田の逮捕の瞬間をSNSにアップしたために、メディアに知られることになり、大騒ぎとなる。また、同じアカウントによって、教師の一ノ瀬が少女に対する縁交をやっていた隠し撮りもアップされる。

 やはり、同じアカウントで、少女が縁交に応じるメッセージをみた男性たちが集まってきた映像をアップするとともに、それらの男性の氏名や顔写真、自宅の映像などをアップしていたことがわかる。

 嶋田は、その何者かを特定しようとする。これに対して、浅村は教室の生徒たちに語りかけて、名乗り出るように促す。「動画をアップしたやつが恨みをかい、危ない」と、嶋田は、教室にいた生徒たちの動きを探って、犯人をあぶりだす。

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