2024年3月4日(月)

医療を変える「現場の力」

2012年9月18日

リハビリは生活視点で

入口を入ると「人生の現役養成道場」という文字が目に飛び込んでくる。デイサービスや、リハビリというカタカナ言葉より分かりやすい。

 夢のみずうみ村の入口には「人生の現役養成道場」という看板が掲げてある。藤原さんはなぜ、ここまで徹底して人生や生活の視点といったものにこだわったリハビリの場をつくるに至ったのだろう?

 学生時代から福祉の世界にのめり込み、30代で作業療法士として病院に勤務。同じ法人内にリハビリと名のつく病院を山口県内で初めて立ち上げた経験も持つ。しかしやがて病院を離れた。さまざまな患者たちとの出会いから、それまで信じて疑わなかった、専門家がよかれと思ってそう「させる」リハビリは、患者の「意思」を無視しているのではないかと気づいたからだと言う。と同時に、医療と福祉は両方とも生活することに直結しているのに、「なぜか医療の現場では生活が遠く感じられた」とも言う。

 もっと生活に近く、本人の意思が湧き出るようなリハビリの場をつくりたいと、2000年にNPO法人を立ち上げ、翌年「夢のみずうみ村山口デイサービスセンター」をオープンさせた。

 それから10年、昨年千葉県浦安市に、市の要望により開設した夢のみずうみ村浦安デイサービスセンターも、あっという間に定員に達した。

 新たに進む東京都内での開設の準備や、地域ぐるみの「健康リハビリ巡礼札所事業」の企画、そして講演活動と、全国を飛び回る藤原さんは言う。

 「うちの職員には、ハートフル、パワフル、スマートフルの3つをいつも言っています。人と人が交流するとぬくもりが伝わって、お互いにあたたかくなる。これを知っているからやめられないんです。パワフルは、言うより前に動け。スマートフルは、走りながら考えようということ。みんな一緒に走ってくれています」。

 立ち上げ当時からの仲間、評判を聞いて集まってきた若いスタッフたちとともに、走りながら考え進化する夢のみずうみ村は、自分の人生をずっと現役でいるための、アイデアの宝庫のようにも見える。これからどんな夢、意思が湧き出てくるのだろうか。


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