Wedge REPORT

2021年2月15日

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9年ぶりに〝マー君対佑ちゃん〟

 そして斎藤にとっては〝千載一遇〟のチャンスも舞い込んできた。15年前、夏の甲子園で投げ合った元ライバルの田中将大が今シーズンから8年ぶりに古巣の東北楽天ゴールデンイーグルスへ復帰。プロに入ってから直接対決では田中に3連敗を喫し、2012年7月13日の試合を最後に投げ合いは実現していない。今年、田中の日本球界復帰が決まったことで9年ぶり4度目の顔合わせが実現する可能性も出てきた。

 田中はMLBの名門ニューヨーク・ヤンキースで7年間78勝をマークしたレジェンドとなり、もはや斎藤にとって手の届かぬ領域にまで達してしまった感がある。ライバルなどと軽々しく評せるような関係ではない。だが、日本ハムはそんな世間の批評などお構いなしだろう。特に策士・栗山監督ならば、たとえ「KY」と言われようとも大バクチを仕掛けてくる可能性は大いにある。日本ハム戦で田中が先発マウンドに立つ際、あえて元ライバル・斎藤をぶつけてくる奇策だ。

 前出の関係者も苦笑いしながら「これは冗談でも何でもなく、十分あると思います」と同意し、こう続ける。

 「田中が健康ならば18勝以上、マークするのは必至。つまり彼が先発するゲームは対戦相手の球団として、ほぼ捨て試合に近い覚悟を決めることも戦略上で必要になってくるかもしれません。仮にそのように決断するのであれば、あえてこちらのエース級を当てて浪費してしまうよりも、バクチ的な先発投手を起用するほうがベターと言えます。そこで斎藤です。万が一、斎藤が田中との直接対決で奇跡的に勝つことができれば、これまでの負の流れを一気に変えることもできる上に『ミラクル・アライブ』を印象付けられる。斎藤復活の大バクチをイチかバチかでかける手立ては、田中とのプロ4度目の直接対決を実現させることが最も手っ取り早い」

 勝負になるかどうかは別として、9年ぶりに〝マー君対佑ちゃん〟が実現すれば話題は沸騰するはず。もっとも冒頭でも触れたように、近年の斎藤は今の時期だからこそ〝風物詩〟のように聞こえのいい話題が飛び交っているだけで、いざシーズンが始まってみたら相変わらずのサッパリだったという展開となることも今後十分に予想できる。まず日本ハムは斎藤がレギュラーシーズンのマウンドに立って一軍の戦力になれるか否かを見極めることが先決だろう。

 田中との夢対決までファイターズ、そして栗山監督は斎藤を〝過保護路線〟と揶揄される契約および起用法で引っ張り続けることができるか。これからプロ11年目の戦いを迎える斎藤はさまざまな意味で注目される。

  
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