中南米系のメジャーリーガーを彷彿とさせる
もちろん、このまま新人の佐藤が順風満帆に行くと断言するのは早計だろう。公式戦になれば、各球団によって徹底的に研究され、厳しい内角攻めや他のウィークポイントも突かれるようになってくるはずだ。それでも、この佐藤にはそうした〝プロの壁〟も難なく乗り越えて大化けしていきそうな期待感が膨らむ。沖縄・宜野座キャンプで打撃練習に励む佐藤の映像を食い入るように見入っていたMLBア・リーグ球団の極東スカウトが、こんなことを言っていた。
「佐藤君は打球音が他の選手と全く違う。キャンプ中にバットが折れていたにもかかわらず、スタンドインしそうな打球を放ったことがありましたが、あれは驚きました。今までの日本人選手にはいない、天性のバネを持つ中南米系のメジャーリーガーを彷彿とさせるようなタイプに見えます。
自分に自信を持っているから、打撃練習中も慌てたり、ペースを乱すような仕草を見せたりすることもない。加えて上を目指そうという、独特のハングリースピリットも彼には見え隠れする。タイガースはMLBでも近々にリストアップされるであろう〝ダイヤモンドの原石〟をつかんだと思いますよ。このまま順調に育てば彼は間違いなく、MLBでも争奪戦になる」
阪神の矢野燿大監督は佐藤を今季開幕スタメンで起用する方向性を示している。久々に超新星の予感が漂う虎のゴールデンルーキーはチームを劇的に変革させるほどの大活躍を遂げられるか。実に楽しみである。
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