2022年12月4日(日)

Wedge REPORT

2021年3月29日

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一軍で結果を残さなければいけない時

 もう1人の未完の大器・日本ハムの清宮も断崖絶壁だ。早稲田実業高校で史上最多の高校通算111本塁打を記録し、当時の高校球界で旋風を巻き起こした「和製ベーブ・ルース」もプロでは未だ鳴かず飛ばず。今年は高卒4年目で初めて春季キャンプを「完走」したが、オープン戦は打率1割6分7厘、0本塁打と大低迷。これには栗山英樹監督もさすがに厳しい決断を下さないわけにはいかず、開幕二軍スタートを言い渡した。

 とはいえ、好材料がまったくない。プロ3年目の昨季は批判の嵐を浴びながらも一度の登録抹消のみで一軍帯同をほぼ許され続けたが、96試合に出場したにもかかわらず僅か7本塁打、22打点、そして打率に至っては1割9分と散々の成績に終わった。今年のオープン戦の体たらくは昨季の〝我慢の一軍帯同〟が経験としてまるで生かされていなかったことを証明しているようなものである。栗山監督は開幕直前、報道陣に清宮の打撃がバラバラで一貫性がなくなっている点を指摘しながら嘆いていたが、それまで清宮についてはソフトな言い回しに終始していた指揮官が〝方針転換〟したことはある意味で「驚き」と言えるかもしれない。

 日本ハムでコーチ経験のあるOBも次のように指摘する。

 「清宮に関しては何があっても『開幕一軍』と見る向きが多かっただけに、栗山監督が二軍スタートを決めたのは予想外なところもありました。ところがネットやSNS上の反応を見ても明らかなように世の中、そしてファンも清宮の二軍スタートを『朗報』ととらえる声が圧倒的です。球団側も厳しい現実を受け入れざるを得ない時が段々と近づきつつあると言えます。

 実際にジェームスこと野村佑希が台頭していることに加え、二軍でもそのジェームスと同じ高卒3年目の万波中正も未来の長距離砲として急激に頭角を現し始めています。それに清宮と同じポジションの一塁には育成上がりで遅咲きの26歳・樋口龍之介も長打力をウリにしながら中田翔の控えとして開幕一軍に名を連ねているのが現状。とてもではないが今のままのレベルでは一軍に清宮の居場所はありません。追い抜かれて〝不要〟になってしまう可能性すらあります。それが厳しいプロの世界というものですからね」

 清宮も、そしてオコエも〝お試し期間〟は終わりを告げている。両者に共通して言えるのは、いくら「若手」とはいえ残された猶予は限りなく少ないということだ。もうプロ選手として強い危機感を自覚し、一軍で結果を残さなければいけない時である。

  
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