2024年11月22日(金)

WEDGE REPORT

2021年4月13日

強靭なメンタリティ

 松山にとって1つのストロングポイントとなるのが、強靭なメンタリティである。どちらかといえばスロースターターの傾向もある松山は初日のスコアが悪くても冷静さを失わず、尻上がりに調子を上げていくことも多々ある。

 特にPGAツアーでは日を重ねるごとにコースセッティングの難易度が高くなるため、ここからスコアを上向きにさせるのは容易なことではない。それでも松山は持ち前の集中力と勝負に対するアドレナリンによって、たとえ初日に出遅れてもきっちり上位に絡んでいく。

 PGAツアーや日本プロゴルフ協会にも携わる事情通の1人は次のように続けている。

 「松山はほぼ動じることなく、いい意味で至ってマイペースを貫く。むしろピンチを喜んでいるフシも感じられる。だから窮地に追い込まれてもギアを引き上げ、自分のプレーができる。そして何より圧倒的なのは松山の身体に秘められたポテンシャルです。181センチ、91キロ。世界のプレーヤーと対峙しても全く引けを取らない。

 近年の米ツアーは各ホールで距離が長くなったことから、飛距離を稼ぐためぶっ放せるだけのパワーを持つプレーヤーが断然有利。その点も踏まえた上で松山は世界を意識したトレーニングを早い段階から取り入れ、筋力系、有酸素運動ともに最新式の方法もアップデートしつつ肉体強化に余念がない」

 世界レベルのポテンシャルを秘める松山が、さらに死に物狂いになってつかんだ栄光のマスターズV。日本の誇る怪物が並々ならぬ努力を重ねた末に世界的プレーヤーの名声を手に入れたのは偶然などではなく、むしろ必然の流れだったと言い切れる。

  
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