Wedge REPORT

2021年4月5日

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 ようやく長いトンネルを抜けた。横浜DeNAベイスターズが開幕9試合目となる4日の広島東洋カープ戦で今季初勝利を飾った。2つの引き分けを挟んで球団ワーストタイとなっていた開幕連敗記録を6でストップ。新任の三浦大輔監督にとっても待望の初白星だ。2リーグ制となった1950年以降、新人監督としてはワースト記録の開幕8試合未勝利だったが、これもやっと止めた。

(bebecom98/gettyimages)

 終盤はヒヤヒヤの展開になった。3―0で迎えた8回に4番手の山崎康晃が3本の安打を浴びて1点を失う。9回に守護神の三嶋一輝が先頭から2者連続四球を与えるなど一死二、三塁として長打が出れば、たちまち同点のピンチを招いたが、何とか後続を断ち切って逃げ切った。

 試合後の三浦監督はウイニングボールを渡され、安どの表情を見せつつ白い歯ものぞかせた。広島の猛烈な追い上げをしのいだ末での辛勝。胸を撫で下ろしたくなる気持ちもよく分かるが、それでも忘れられない勝利であることに違いはない。初白星について「ほんとに1つ勝つというのが、どれほど大変かという期間でしたね。長かったですね、本当に」と一語一句を噛み締めるように語ったのが、とても印象的だった。

 ただ、チーム状況が必ずしもこれで完全に好転したわけではない。今季のベイスターズの最大の誤算は投打において戦力の根幹を担う外国人選手たちが開幕から不在となっていることであり、未だ解消には至っていないからだ。これはフロントの大失態である。

 一体なぜ、このようなことになってしまったのか。日本では入国後にビザを申請する「再入国」の方法を選択した外国人に対し、入国期限が設けられる。そのためベイスターズの球団側は所属の外国人選手たちに対して昨年11月の段階でビザを取得後に入国する形を選択していた。ところが新型コロナウイルスの感染が再拡大し、昨年12月の時点でビザの波及が凍結してしまったことで結果論とはいえ、これが裏目に出る格好となってしまった。

 2019年まで2年連続本塁打王に輝いたネフタリ・ソト内野手が先発オーダーに名を連ねていないのは、攻撃面で致命的なマイナスだ。来日1年目でクリーンアップを任され、昨季20本塁打を放ったタイラー・オースティン外野手も無論、開幕からずっと不在である。打線の主軸2人が欠けていることで相手にも脅威を与えられずにいるのは言うまでもない。

 投手陣にもぽっかりと大きな穴が開いている。昨季チーム2位の56登板でリリーフの要となっていた左腕のエドウィン・エスコバー投手、さらに先発ローテの一角として大いに期待されている新戦力右腕のフェルナンド・ロメロ投手(前ミネソタ・ツインズ)、そして昨季先発とリリーフでマウンドに立ったマイケル・ピープルズ投手もチーム合流を果たせていない。こうやってあらためて見ても分かるようにベイスターズは他の球団と比べてみると外国人選手への依存度が高い側面もあり、来日の遅れが計り知れないダメージとなっているのは明らかだ。

 ここにきて政府の特例による入国が緩和され、先月27日にソト、オースティン、ピープルズ、ロメロら7人の外国人選手たちが来日。エスコバーら助っ人3人も今月3日に来日を果たした。しかしながらロメロが成田空港内で受けたPCR検査で無症状ながらも陽性反応となり、同空港検疫所指定の施設にて現在も隔離中とみられている。他の外国人選手たちは陰性だが、外国からの来日のため2週間の隔離期間が必要だ。そうなると助っ人選手たちの一軍合流はファームでの調整期間も含めるとするならば、どんなに急ピッチで進めるにしても先月27日に来日したソトらが早くて4月中旬頃と推察される。 

 ちなみに新型コロナウイルス感染拡大による水際対策の影響で外国人選手が開幕までに1人も来日できなかったのは12球団でDeNAのみである。そう考えれば、ベイスターズのフロントの不手際は糾弾されなければいけない。

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