奇想天外なアイデアとユーモアのセンスで、今も多くの絵画ファンを魅了する江戸末期の浮世絵師、歌川国芳。伝統にとらわれない自由闊達な画風が、その後、どのように受け継がれ、発展を遂げたのか。幕末から明治、大正、昭和初期に至るまでの一連の系譜をたどるユニークな趣向の展覧会が開催される。
「近江の国の勇婦於兼(おかね)」
天保2-3(1831-32)年頃
横大判 多色木版
*前期のみの展示
勇壮な武者絵や役者絵をはじめ、美人画、風景画、子ども絵、それに機知に富んだ風刺画や戯画など、幅広いジャンルの作品を手掛けた国芳。その門下からは、歌川芳虎、月岡芳年(よしとし)、河鍋暁斎(かわなべきょうさい)、五姓田芳柳(ごせだほうりゅう)など、独自の画風で名を成した個性的な絵師を輩出している。芳年門下には水野年方や鏑木清方(かぶらききよかた)、さらに清方門下には伊東深水(しんすい)、寺島紫明(しめい)などが名を連ねている。
会場には総勢50名による作品約250点が勢ぞろい。中でも浅草寺の絵馬堂に納められている横3.7メートル、縦2.2メートルの巨大絵馬をはじめとする国芳作品54点、それに芳年作品28点、清方作品18点などは必見だ。国芳に端を発する日本画の一大潮流に触れてみたい。
はじまりは国芳―江戸スピリットのゆくえ
<開催日>2012年11月3日~2013年1月14日 *会期中、展示替えあり
<会場>横浜市西区・横浜美術館(みなとみらい線みなとみらい駅下車)
<問>☎045(221)0300
http://www.yaf.or.jp/yma/index.php
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