Wedge REPORT

2021年7月26日

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 想像よりも早い急展開で日本が「五輪一色」に染まろうとしている。23日から東京五輪が開会式を迎え、それと同時にメダルラッシュも始まった。24日にはまず柔道女子48キロ級で初出場の渡名喜風南が先陣を切って銀メダルを獲得。そして同じ24日、今度は柔道男子60キロ級で高藤直寿が今大会日本選手団第1号となる金メダルに輝いた。

 25日には一気に4人の日本人金メダリストが誕生。競泳女子400メートル個人メドレーで大橋悠依が、この日最初の金メダルを手にした。今大会からの新種目スケートボード・ストリート男子では22歳の堀米雄斗が初の五輪王者となった。また柔道では男子66キロ級の阿部一二三、女子52キロ級の阿部詩の兄妹が2人揃って優勝。柔道五輪史上初の快挙となる兄妹同日金メダルを成し遂げ、日本列島は大いに沸いた。

25日、400メートル個人メドレーで金メダルとなった大橋悠依選手(picture alliance/aflo)

 この流れに飲み込まれるようにしてSNSやツイッターでも開会式当日から五輪関連のワードが続々とトレンド上位を連日独占するようになっている。

 開会式前に一足早く始まった団体競技のソフトボールと男子サッカーもいざ五輪初戦を迎えてみれば、それぞれの日本代表チームは予想をはるかに超える注目を集めている。国民の大声援を受けつつ25日にはソフトボール日本代表がカナダを撃破し、27日の決勝進出を決め銀メダル以上が確定。男子サッカーも日本は強豪メキシコを下して2連勝し、決勝トーナメント進出に王手をかけた。

 開会式を迎えるまでは間違いなく国民の圧倒的大多数の人たちが、新型コロナウイルス感染拡大を招きかねない東京五輪に対して嫌悪感を抱いていた。実際に筆者も今大会のメディアパスを取得し、それとなく周囲に五輪取材へ行くことを伝えると露骨に嫌な顔をされ、かつ強い拒否反応も示されたことが幾度となくあった。だからそんな背景もあって多くの国民から理解を得られない以上、今大会の取材に行く直前までは「東京五輪は盛り上がらないだろう」と踏んでいた。

 それを象徴するかのように東京五輪・パラリンピック大会組織委員会には開会直前まで猛烈な逆風がふきつけていた。東京五輪・パラリンピックの開会式の作曲担当となっていたミュージシャンの小山田圭吾氏は過去の雑誌インタビューで障害がある同級生らに対して目を背けたくなる陰湿ないじめや差別行為を行っていたことを笑いながら告白していた詳細が明らかになり、19日に自身のSNSで辞任を発表。森喜朗前組織委会長の女性蔑視発言、開会式で女性タレントの〝ブタ扱い演出〟を考案していたことが明るみに出て開閉会式の演出担当から辞任したクリエーティブディレクターの一件など組織委絡みの不祥事は後を絶たなかった。組織委内部から「今大会は呪われている」「とても開催支持を得られるような状況ではない」などと次々に諦めムードが漂うようになっていたのも無理はあるまい。

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