Wedge REPORT

2021年7月19日

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 横綱白鵬が完全復活を果たした。大相撲名古屋場所(18日・ドルフィンズアリーナ)の千秋楽で大関照ノ富士との全勝対決を制して全勝優勝。6場所連続休場から「進退を懸ける」と言い切り、不退転の決意で臨んだ場所で歴代最多を更新する45回目のVを成し遂げた。

(c11yg/gettyimages)

 だが、千秋楽の決戦の内容は物議を醸した。白鵬は立ち合いで照ノ富士の顔面めがけ、右肘で強烈なかち上げを敢行。ツイッターでもトレンド入りしたように、それはまさしくプロレス技の「エルボー」を連想させる強烈な一撃だった。

 それでも照ノ富士が崩れず、逆に前みつを引かれかけた。必死になった白鵬は張り手の連打で間合いを作りながら何とか主導権を握り返し、右四つの体勢に組み止めると最後はやや強引な小手投げ。相手を投げ倒した直後、思わずガッツポーズまで飛び出した。

 エルボーまがいのかち上げ、張り手、そしてガッツポーズ。どれも横綱にはふさわしくないと言ってしまえば、それまでである。もちろん、白鵬批判を完全に否定するつもりはない。だが、毎度のように白鵬が勝つと毎度のごとく「汚い」「インチキ横綱」「品位がない」などと〝手を変え品を変え〟のバッシングには見聞きさせられる側のこちらがうんざりする。

 横綱審議委員会や日本相撲協会の幹部も事あるごとに白鵬の取口に「横綱にあるまじき…」と苦言を呈してきているが、それならかち上げや張り手も禁じ手にしてしまえばいい。ルールで認められているにもかかわらず「横綱相撲」などといった中途半端なグレーゾーンの枠組みに則って判断しているだけでは、この先も白鵬の取口や品位に関する批判は引退するまで延々と繰り返されるだろう。もう時代は令和なのだ。どうしても白鵬が許せないなら、ルール改正でもすればいいと思うが、文句をつけているだけで結局うやむやのまま終わっている。

 明確に禁じ手とされないのだから、右膝もボロボロの状態で力の落ちている白鵬がグレーゾーンのルール下で事実上認められているかち上げや張り手を要所で組み込み、是が非でも勝ちをつかみにいく姿勢は格闘家であるならば至極当然のことと考える。

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