「僕の目が悪くなった理由を考えることがあります。もしもそれが障害者の雇用を改善するためや、日本でもっと広く障害者スポーツを発展させるためだったとしたら、自分は適任者じゃないかと思います」とキッパリと応える姿が印象的だ。
丹念に整えられた髭や、スーツとネクタイのコーディネイトからも、周囲に明るい印象を与える気配りをする性格が表れている。
初瀬には日本を代表する視覚障害者柔道選手と障害者就労支援のプロフェッショナルという二つの顔がある。その柔和な笑顔には乗り越えてきた苦闘の傷跡は見えない。あるのは突き抜けた人間だけが持つ骨太な明るさだけだ。ビジネスとスポーツ、そのどちらにとっても明るいというのは重要な資質である。
自分は障害者アスリートとして恵まれているという。その感謝を胸にパラリンピック・リオデジャネイロ大会へ向け初瀬の精進は続く。
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