田部康喜のTV読本

2021年10月16日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 その根拠は、この海域は「プレートテクトニクス理論」によると、北米プレートと太平洋プレート、フィリピン海プレートが微妙なバランスをとって存在している不安定な場所だ。それが、温暖化の影響によって、海底から海面までが高まって、水圧が上昇している。

 そして、政府の「COMS」計画が、致命的な打撃を与えている。地底から燃料を取り出すために、関東はより早く沈没する、というのである。

 主人公の天海(小栗)は、田所説を否定する地球物理学者の世良徹(國村隼)と組んで、田所をいったんは、封殺しようとする。東山首相の諮問を受ける形で、「未来会議」が、関東沈没説を検証して、その結果を公にすることになった。

博士は幻想を見たのか?

 海上保安庁の海底探査船に、田所(香川)と世良(國村)の双方が乗船して、「COMS」の海底施設付近を調査していく。海水が吹き上げられるような地点に達して、海底の割れ目から暖かい海水が漏れ出ている結果として、そうした環境に対応したシロウリガイやバクテリアマットをみつける。

 さらに進むと、田所は「スロースリップが見える」と、興奮した様子で観察窓の外をみる。スロースリップとはまさに、プレートのずれつまり沈没の証拠となる現象である。

 ところが、船内にいた、「未来会議」のメンバーである、国土交通省出身の安藤靖(高橋努)が急に胸を押さえて苦しみだし、調査は中断して、調査船は浮上する。田所(香川)は抗議する。天海(小栗)は、初めて疑惑の影を感じる。

 「未来会議」が、調査結果をまとめて、記者会見に臨もうとした段階で、天海(小栗)の疑惑は決定的になった。調査船からの撮影した映像に、田所(香川)が見たという「スロースリップ」の形跡はなかった。海底のデータにもそれはなかった。暖かい海域しか生息しない生物も、断層が分岐する地点でみられる現象だと、片付けられていた。

天海(小栗) 田所博士は、幻想を見たのでしょうか?

世良(國村) そんなことをいうと、君の将来のためにならないよ。関東沈没など絶対にない。

田所(香川) ここは、真実をねじ曲げる場所か?真実にたどり着くのをおそれているのは君たちだ。

天海(小栗) これでは、田所博士は納得しませんよ。中断した調査をやり直してはどうか。

世良(國村) 君が積み上げてきたのが台無しだ。

天海(小栗) そんなのは、どうでもいい。

 その時、テレビの実況中継で、田所(香川)が予言していた、伊豆半島沖の日之島が急速に沈没していく映像が流れ始めた。

  
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