2024年11月24日(日)

故郷のメディアはいま

2012年12月26日

独特な事業運営で知られる
とちぎテレビグループ

 U字工事は1978年生まれ。森三中の大島美幸は益子と幼稚園と小学校、中学校が同じ幼馴染で、大島が益子の1年後輩になる。U字工事の2人は、栃木県内の進学校の一つ太田原高校の同級生で、高校時代から文化祭となると漫才を披露していた。アマチュアコンビとして、テレビ朝日の番組に出演したこともある。高校卒業後は2人揃って桜美林大学に進学、大学周辺の神奈川県相模原市や東京都町田市で暮らしていた。大学卒業を区切りに、正式にコンビを結成した。コンビ名は、工事現場のU字溝の看板から高校の同級生が名づけたという(2009年7月26日放送の『誰だって波瀾爆笑』から)。

 今2人は、とちぎテレビに『イブニング6』のほか、毎週木曜日19時半からの30分番組『とちぎ発!旅好き!』、サッカーJリーグ2部に所属する栃木サッカークラブ(SC)の応援番組『TOCHIGI FIGHTING!!SC一枚岩』(月曜日)にレギュラー出演している。

 同局が開局したのは1999年4月で、現在の地上波テレビ局では最も新しい放送局である。筆頭株主は栃木県で、栃木県市長会(14市)、下野新聞社、栃木県町村会(12町)、足利銀行、栃木銀行まどが主要株主として名を連ねる。2012年4月、翌年の開局50周年を控えたラジオ単営局の栃木放送を完全子会社化した。

 両社はもともと、栃木放送のアナウンサーが、同社の関連会社「株式会社栃放エンタープライズ」より派遣されてニュース番組に出演したり、番組・CM制作を請け負うなど、とちぎテレビ開局当時から親密な関係を築き共存共栄を図ってきた。テレビ局のラジオ局の完全子会社化、両社の統合は、ラジオ局の経営が厳しさを増し経営資源の効率的な活用が求められる中で、必然だったと言える。今後は県紙の下野新聞とのインターネット事業での連携も課題となって来るだろう。

 栃木県グリーンスタジアム(ホーム)で行われる栃木SCの全試合生中継、アイスホッケーの日光アイスバックスや日本バスケットボールリーグ所属のリンク栃木ブレックスの試合中継、日本テレビで放送された最近のアニメを含めたアニメ番組の多さ、ニュース番組の動画配信を項目別に行うなど、国内に13局ある独立U局の中でも独特な事業運営で知られるとちぎテレビグループ。県や市町村などが主要株主になっている企業にありがちなお堅い・臨機応変さに欠けるイメージをどう裏切っていくのか。数少ない県内著名人となったU字工事が、いかに進化していくのかが鍵を握っているのかもしれない。


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