導き出した答えは、「興味本意こそ、相手を傷つけることになる」「ライフセービングは正しいという構えを無くす」そしてもっとも大切なことは、「善と悪という視点をなくすこと。人間は、すべて白か、黒かだけでは測れない。良い部分も、悪い部分もあるからこそ、限りなく正しくあるために、より美しくあるために、日々の研鑽がある。共に生きるものとして、誠心誠意を尽くして臨もう」という姿勢でまとまった。
「ライフセービング講座―命のバトン」開講
「あなたは愛する人を救えますか?」
講座の前半ではライフセービングの「救命」「スポーツ」「教育」「福祉」「環境」という5分野の活動を説明し、後半は4班に分かれて、心肺蘇生法の実技講習を行うという構成である。
「本当の強さとはなんだろう、本当の優しさとはなんだろう。あなたは愛する人を救えますか? これから心肺蘇生法を学びます。みんなには大切な人がいるでしょう。その大切な人のことを思い浮かべて下さい。その人を絶対に救うんだという気持ちで取り組んで下さい」(植木)
「東日本大震災から3月で2年が経ちます。日本にもっとライフセーバーがいれば多くの人が助かったんじゃないかと思います。もちろん津波を止めることは出来ません。しかし、津波のすさまじさを知っています。だからこそみんなを促し、率先し、いっしょに避難することができたと思います。今日ここで君たちに命の大切さを伝えることによって、ライフセーバーを増やしたいと思っています」(北矢)
講師2名のメッセージを引き継ぎ、心肺蘇生法のデモンストレーションを流通経済大LSCが受け持った。
「人が倒れています~周囲の観察~危険性なし~全身の観察~大出血等なし……」
2度目なので昨年ほどの緊張感はなかったものの、部員たちの真剣さに変わりはない。その姿勢に少年たちの目は輝いた。
その後、各寮4グループに分かれ、2人一組のバディを組んだ。そこへ講師として部員が3名ずつに分かれて付き、それから約30分間、植木と北矢は各グループを回り、部員はグループ内でそれぞれ指導に当たった。