1951年(昭和26年)から水道の布設が始まった苅田町には、紙データの水道管路マップ24枚(縮尺2万5000分の1)と、管路が布設された際の工事設計書1000冊超があった。「以前からデジタル化の話はあった。しかし、どうしても費用がかかることがネックになっていた」と話すのは、水道工務担当係長の佐村有人氏。「これまでも紙データでやってきたことだし……」と、諦めムードが漂うなか、「それなら自前でやってみよう」と、佐村氏が立ち上がった。
デジタル化へ向けた隠れた努力
地図の中に情報を書き込むことができる「地理情報システム」(GIS)に、配水管などの膨大なデータを、わずか4人で、地道に入力していくという、まさに気の遠くなるような作業だ。
2年の入力期間を経て、マップのデジタル化を完成させた。これにより、町役場の窓口に設置された端末で誰でもアクセスできるようになり、夜間、休日はもちろん、水道関連事業者などは、登録すればスマホを利用して実際の工事現場からでもマップの閲覧が可能になった。
さらに、…………
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