2022年10月5日(水)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年1月24日

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「Wedge」2022年1月号に掲載され、好評を博した特集「破裂寸前の国家財政 それでもバラマキ続けるのか」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
 
所沢市が開発した「イルミネーションマンホール」 (WEDGE/TOKOROZAWACITY)

 財政赤字を減らすには、歳出を減らすか歳入を増やすしかない。「塵も積もれば山となる」のごとく、努力を続ける地方自治体の取り組みを取材した。

見えない水道管を
自前で見える化

 福岡県京都郡苅田(かんだまち)は、北が北九州市に面する人口約3.7万人の小さな町だ。この町の水道工務担当職員4人が配水管242㌔メートル、水道メータ約1.4万件など、「水道管路マップ」を紙データ(アナログ)からデジタルデータに約2年かけて置き換えた。

現場からでも確認できるようになった苅田町の「水道管路マップ」 (KANDATOWN)

 突発的な漏水事故などが起きて現場に向かった際には、埋設物の状況が確認できないため、いったん役所に戻る必要があったが、デジタル化によってスマートフォンから現場で確認することができるようになった。このような諸々の作業時間の短縮で、直近4年間(2016~19年)の推定人件費7600万円の削減を実現した。

 このデジタル化を外部委託していれば、4000万円もの見積もりが上がってきたことから、費用削減はトータルでは1億円を超す。苅田町の水道事業費用(21年度)は10億円で、10%超の歳出削減効果があったことになる。

 苅田町のような給水人口5万人未満の水道事業者は日本全体では68%を占める。小規模事業体では、技術系の職員は平均して5人以下。水道事業は公共性の高い事業ではあるが、基本的に水道料収入の範囲内で予算を組む必要があるため、必要であっても人材を増やすことは困難だ。

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