2022年8月14日(日)

2021年回顧と2022年展望

2021年12月31日

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中島章隆 (なかじま・ふみたか)

元毎日新聞運動部長・論説委員

なかじま・ふみたか 1952年長野県生まれ。元毎日新聞運動部長・論説委員。現在は立教大講師、東京プロ野球記者OBクラブ理事。月刊政策情報誌「毎日フォーラム」で2009年から「スポーツを読む」を連載している。

各競技で進んだ〝テレビ離れ〟

 五輪と並び4年に1度、世界中を熱狂させるサッカーのワールドカップ(W杯)は22年11月、中東カタールで開かれる。21年には9月からアジア最終予選が始まった。日本代表は1998年フランス大会から6大会連続W杯に出場しているが、森保一監督率いる日本は大阪で開かれたオマーンとの開幕戦を0-1で落とし、苦しいスタートとなった。

 3戦目、アウェーのサウジアラビア戦も落として2敗目を喫し、7大会連続出場に黄信号が灯ったが、4戦目のオーストラリア戦から3連勝で5チーム中2位に浮上。残り4戦に望みをつないだ。

 このアジア最終予選のライブ放映をめぐり、新しい動きが出てきた。日本の浮沈がかかった第5戦の対ベトナム戦、第6戦の対オマーン戦のアウェー2試合は、BS、CSを含めテレビ中継がなく、代わりにインターネットチャンネルがライブで中継した。

 「テレビ離れ」はサッカーだけではない。6月にあった女子ゴルフの国内ツアー、アース・モンダミンカップはテレビ中継がなく、代わりに有料インターネットで配信された。放送権料をめぐりテレビ局と、日本女子プロ協会が対立しており、ここに大会スポンサー企業が加わって「テレビ離れ」の動きに発展した。

 12月のプロボクシング、バンタム級世界チャンピオン、井上尚弥の防衛戦も視聴ごとに課金されるペイ・パー・ビュー(PPV)のライブ配信だった。TKOでタイトルを防衛した井上が所属する大橋ジムの大橋秀行会長は「井上に見合うファイトマネーをねん出するにはPPVしかなかった」という趣旨の説明をしている。

 視聴率が高いスポーツ中継をテレビ局が放送し、スポンサーからの広告料で賄うという従来のビジネスモデルが崩れてきている実態を物語る現象だ。人気スポーツの試合は「視聴者が金を払って見る」時代になるのだろうか。21年は、その先駆けとなる年だったのかもしれない。

  
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