2024年11月22日(金)

解体 ロシア外交

2013年2月6日

 また、翌24日、プーチン大統領も各国の駐ロシア大使の信任状奉呈式の場で、「外国人を含む平和的な市民の命を奪ったテロだ」と、アルジェリアでの事件を強く批判する一方、「制御不能な武器の拡散を伴ったリビアの大混乱」がマリでのイスラーム過激派の伸長をもたらし、アルジェリアでの「悲劇的結末」を導いたと、前日のラブロフ外相と同様の発言をして、欧米を批判した。

 これらの厳しい発言の背景には、一連の「アラブの春」への対応で募っていた欧米への不信感に加え、前述のように、ロシア(およびソ連)が長年手をかけてきたアルジェリアにおける欧米諸国の活動への反発があることは間違いない。

 アルジェリア軍は恐らく少なくとも一部はロシアから入手した兵器を用いたであろうし、テロリストは欧米から巡り巡って入手した武器を使ってテロを行ったというロシア側の主張が事実であれば、皮肉である。

 グローバル化の現在、あらゆる事件を複雑な国際関係抜きに考えることは出来まい。今後の危機管理対策は、ある国や地域という点ではなく、グローバルな視点で歴史や現状を鑑みて講じていかねばならないことが、改めて浮き彫りになったと言えるだろう。

[特集] 知られざるロシアの実像


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