中国による人的・経済的な嫌がらせの懸念
問題は台湾有事などの際、中国での膨大な日系資産や多数の在留邦人が接収や恣意的拘束によって、日本を牽制する道具として中国側に利用される可能性である。無論、直接の交戦国でない国の資産を接収し、あるいは国民を拘束することは、国際法上も認められるものではない。しかし、中国が国際ルールを顧みる国でないことは、近年に発生した外交問題に際し、相手国への人的・経済的な嫌がらせを行使してきた実例が証明している。
例えば、豪州が対中政策を転換して米国と歩調を合わせる一方で、中国では華人系豪州人の作家・楊恒均(ヤン・ヘンジュン)氏や、ジャーナリストの成蕾(チェン・レイ)氏などが不明朗な罪状で拘束・起訴され、豪州製品への不当圧力も頻発している。豪州政府は20年7月、自国民が中国で恣意的に拘束される危険性が高いとして警告を発している。
また、……
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