米中間選挙への影響
中国のジュニアパートナーとして見られたくないプーチン大統領は、ウクライナ危機を作り、この数週間世界を「米中」から「米ロ」関係に引き戻すことに成功した。バイデン氏は果たして緊張緩和に向けた外交努力を通じて、この危機を切り抜け、中間選挙に向けて弾みをつけることができるのだろうか。
仮に外交努力が実らず、ロシア軍のウクライナへの軍事侵攻を許した場合、トランプ氏と野党共和党は即座に「プーチンの勝利」とみなし、バイデン批判を強めていくことは確かだ。
さらにガソリン価格が高騰すれば、支持基盤である中間層の生活にさらなる打撃を加え、バイデン氏の支持率低下は必至だ。中間選挙へ向けて共和党に「追い風」となるだろう。
鍵は「いつ」ロシア軍がウクライナへ軍事侵攻をするのかだ。11月8日の投票日に近づけばバイデン大統領と与党民主党にかなり不利に働くことは確かだ。プーチン大統領はバイデン氏から譲歩を引き出しやすくなるからだ。
バイデン大統領はロシア軍の軍事侵攻はあり得ると主張している。仮に軍事侵攻がなければ、バイデン政権における情報機関の分析の正確性が問われることになる。これも中間選挙を控えたバイデン氏と民主党にとってマイナス要因になる。