舞台監督・熊川による異例の称賛
昨年12月3日、東京・渋谷の劇場で「くるみ割り人形」の公演があった。飯島は当然、主役のマリー姫役である。この役は、豪邸に住む少女のクララの夢のなかで、プリセスからの王冠を彼女の頭に飾るのが、ひとつのクライマックスである。高貴かつ温かい心の踊りが要求される。
飯島は見事に踊り終えて、「リハーサルより楽しかった。舞台は全然違う」と満足そうな笑みを浮かべる。カーテンコールの際に、舞台監督の熊川が、飯島を称賛するしぐさをしてみせたのも、うれしかったに違いない。舞台監督が登場するのは、異例である。