2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年3月24日

 最近の台湾の世論調査を見る限り――世論調査は変わりやすいものではあるが――ウクライナ危機のあと、台湾の多数の人々の、第一の関心事項は「いざとなった時、米国は来てくれるだろうか?」という問いかけであるように思われる。

日本にも訪れつつある危機

 ロシアがウクライナへの侵攻を続けるなか、蔡英文政権は軍事訓練体制を強化するなど戦力向上に力を入れはじめた。台湾の陸、海、空軍は3月から金門、東沙諸島などで軍事訓練を行い、また有事の際に動員する予備役の訓練期間を例年より倍にした、と報じられている。

 台湾ばかりではない。日本の周辺でも、危機は高まっている。北朝鮮は、今年に入り既にミサイル発射実験を9回行っているが(3月13日現在)、そのうち、最近の2回は、射程の長い大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)級と言われている。

 ロシアは、3月10日から11日、軍艦10隻を津軽海峡を通過させるなど、不穏な動きを続けている。一方、中国は、武装もした海警局の船が、尖閣諸島を取り巻く日本の領海を侵犯するなど、緊張状態を引き起こしている。日本も台湾以上に抑止力を向上させる必要に迫られている。

   
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