2022年7月6日(水)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2022年3月28日

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片野 歩 (かたの・あゆむ)

水産会社社員

東京生まれ。早稲田大学卒。2015年水産物の持続可能性(サスティナビリティー)を議論する国際会議シーフードサミットで日本人初の最優秀賞を政策提言(Advocacy)部門で受賞。1990年より、最前線で北欧を主体とした水産物の買付業務に携わる。特に世界第2位の輸出国として成長を続けているノルウェーには、20年以上、毎年訪問を続け、日本の水産業との違いを目の当たりにしてきた。著書に『日本の水産資源管理』(慶應義塾大学出版会) 『日本の漁業が崩壊する本当の理由』『魚はどこに消えた?』(ともにウェッジ)、『日本の水産業は復活できる!』(日本経済新聞出版社)、「ノルウェーの水産資源管理改革」(八田達夫・髙田眞著、『日本の農林水産業』<日本経済新聞出版社>所収)。

ロシアの養殖水産物に対する政策

 ロシアの養殖水産物の生産量推移グラフをご覧ください。天然物だけでなく、アトランティックサーモンなどの養殖水産物についても、禁輸により積極的に増産体制を取っており、右肩上がりが続いています。

資料:Global note・出典:FAO 写真を拡大

 なお、ロシアはアトランティックサーモンとトラウトサーモンの種苗は、禁輸対象から外しています。禁輸による輸入減を、自国の漁獲生産量を上げることで賄おうとする姿勢が、数字で明確に表れています。

 16年当時17万トンであった養殖全体の生産量を、20年までに31万トンの計画としていましたが、計画以上に進み20年には31万トンを超え、21年には36万トンとさらに増加が続いています。かろうじて数量で横ばいが続く日本の養殖水産物とは大きな違いです。

この間 日本の漁獲量と生産量はどうなったか?

 下のグラフは、ロシア・日本に韓国も加えた水産物の漁獲量・生産量を表したグラフです。15年にロシアに抜かれて、その差は広がっています。

 また、ロシアだけでなく、韓国にも肉薄されています。この傾向で行けば日本は減少が止まらない一方で、韓国はロシア同様に増加していますので、同じく追い抜かされてしまう可能性があります。

 韓国の持つEEZは、太平洋側に広くEEZを持つ日本と比較すればはるかに狭いです。それなのになぜ、ロシアそして韓国にまで追い抜かれてしまおうとしているのでしょうか? わが国では、漁業法改正で養殖を行う際の優先順位には改善がありましたが、海は有効に利用されているのでしょうか?

 日本で魚が減った理由として盛んに報道されている海水温の上昇は、この両国には当てはまらないのでしょうか? こうやって外国と比較すると、「日本は特別」という理屈は当てはまらず「都合が悪い事実」は隠せません。

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