蔡英文政権については、いたずらに中国を刺激することなく、台湾の主権を毅然と守る現状維持路線は台湾人たちの多数の強い支持を得ている。しかし、蔡政権に、群衆を盛り上げつつ、非道な侵略に抵抗を続けるゼレンスキーのような行動がとれるだろうか、と上記のヒルは警鐘を鳴らしている。
台湾で変わった徴兵への意識
最近、邱・台湾国防相は台湾の徴兵制度を改善し、4カ月以上の期間の延長を検討している、と議会で述べた。台湾の中で、「今日のウクライナを明日の台湾」と重ね合わせて見る台湾人が増えていることは、最近の世論調査を見れば明らかである。ロシアのウクライナ侵攻は、当初台湾人に衝撃を与えたが、今日では、米国の対応ぶりを含め、より落ち着いてウクライナの状況をつぶさに観察している、というところだろう。
与党・民進党が最近実施した世論調査によれば、もし中国が台湾に攻撃を仕掛けてくれば、国を守る、と答えた人は65%を超え、昨年10月より3%増え、他方、「戦うつもりはない」と答えた人は4%減の25%になった、と報じられている。