ロシアによる侵攻後にウクライナ外相は「血の匂いがするロシア産エネルギーの禁輸」を呼びかけた。米国、英国は応じたが、独ショルツ首相は、「産業も、輸送も、電気も、暖房もロシア産エネルギーに依存している。脱ロシアを1日で行うことは不可能だ」と述べ、禁輸に反対する姿勢を示した。ハンガリーなども反対したと報道され、EUは禁輸に踏み切れなかった。
侵攻前後に輸送量を増減させたロシア
ロシアは、昨年からウクライナ経由の輸送量を減少させていたが、驚くべきことに2月24日の侵攻直前から輸送量を大きく増加させている(図-2)。ロシアは侵攻によりウクライナにパイプライン使用料を支払う必要がなくなったと考え、輸送量と収入を増やし戦費にしたかったのだろう。2月23日から急激に輸送量が増え始めており、天然ガス企業ガスプロムは侵攻開始を事前に把握していたのではないかとの疑いもある。
急増するウクライナ経由EU向けロシア天然ガス供給量(図-2)
EU内では……
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