2022年10月3日(月)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年4月26日

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倉都康行 (くらつ・やすゆき)

RPテック代表取締役・ 国際資本システム研究所長

1979年東京大学経済学部卒。東京銀行、バンカース・トラストを経て、チェース・マンハッタン銀行。2001年に金融シンクタンクのRPテック株式会社を設立。近著に『危機の資本システム』(岩波書店)。

 「Wedge」2022年5月号に掲載され、好評を博している特集「プーチンによる戦争に世界は決して屈しない」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
異例ともいえる厳しい経済制裁はロシアだけでなく世界経済に大きな影響を及ぼしている (AFP/AFLO)

 年初、国際金融市場での注目点はコロナ禍からインフレ懸念へと移り始めていた。その過程で「最大リスクは米国の金融政策動向」というコンセンサスが生まれ、視線は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長に集中していたが、2月24日にロシアがウクライナ侵攻に踏み切ったことで、景色が一変した。世界の耳目は一斉にプーチン大統領に注がれることになったのである。

 米国はロシアに対して予想以上に厳しい方針を打ち出し、金融そしてエネルギーに制裁対象を拡大した。特に前者に関し、国際銀行間通信協会(SWIFT)のネットワークからの排除やロシア中央銀行への制裁にまで踏み込んだことは、金融市場の想像を超えるものであった。あまりに「副反応」や「後遺症」が厳しいからだ。だが、当初は制裁に躊躇していた欧州諸国も、ロシア軍の厳しい攻撃姿勢を前に、米国に同調せざるを得なくなった。

 当初は「世界経済にとってロシアはさほど重要でない」といった楽観論もあった。国内総生産(GDP)規模では世界11位であり、貿易シェアもそれほど高くはないからだ。資本市場でもロシア関連取引のウエートは低い。

 だが、一方でロシアは世界最大級のエネルギー産出国であり、世界有数の穀物産地であり、核兵器も保有する世界第2位の軍事力を持ち、6300億㌦という高水準の外貨準備を持つ国である。この国に対して金融を「武器化」するリスクは小さくなかった。

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