2022年10月3日(月)

#財政危機と闘います

2022年3月5日

»著者プロフィール
著者
閉じる

島澤 諭 (しまさわ・まなぶ)

関東学院大学経済学部教授

富山県生まれ。1994年東京大学経済学部卒業 同年4月経済企画庁入庁。調査局内国調査第一課、総合計画局計量班、調査局国際経済第一課等を経て2001年内閣府退官。02年秋田経済法科大学経済学部専任講師、04年10月秋田大学教育文化学部准教授。15年4月から中部圏社会経済研究所研究部長を経て、22年4月より現職。

 ロシアが2月24日にウクライナに対する軍事的侵略に踏み切って1週間以上経過しているが、当初の予想とは異なり、現地では、今もロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続いている。まずは、ロシアの蛮行に対して、自由と独立を守るため、命を賭して抵抗を続けるウクライナ国民に敬意と連帯を表明するとともに、ロシアに対しては即時撤退を要求したい。

(Max Zolotukhin/gettyimages)

ロシア経済の世界と日本の位置付け

 世界経済におけるロシア経済を確認すると、国際通貨基金(IMF)によればデータのある192カ国・地域中、ロシアの国内総生産(GDP)は1兆6480億米ドルと11位の大きさで、3位の日本の3分の1未満に過ぎず世界経済全体の1.7%でしかない。

 日本との関係では、2021年の日本からロシアへの輸出額は8624億円と日本の輸出総額83兆円の1%を占めるに過ぎず、輸出先としてはそれほど重要ではない。主な輸出品目は自動車や自動車関連部品、機械類である。

 一方、ロシアから日本への輸入額については、1兆5431億円と輸入総額84.6兆円の1.8%に過ぎないものの、主な輸入品目は液化天然ガス(LNG)や石炭、原油、パラジウムや白金などであり、特にパラジウムや白金は希少性が高い戦略物資と言える。

追い詰められるロシア経済

ソ連崩壊後のロシア経済の推移を示したのが図1である。

 

 同図によれば、ソ連崩壊後ロシア経済は縮小を続け、ルーブルの暴落や自国通貨建て国債の事実上のデフォルト(国債償還を5年延期)による経済危機により1998年には92年に比べ3割もGDPが縮小した。その後、天然ガスや原油輸出などへの依存を強めつつ経済は総じて見れば成長を続けていた。ただし、天然資源への経済の依存は目立った新産業の創出にはつながらず、天然資源の輸出拡大が国内製造業の衰退や高い失業率を招くオランダ病が指摘されている。

新着記事

»もっと見る