双方に被害をもたらす「武器化された金融」
確かに厳しい金融制裁の結果、ロシアの通貨・株・債券は暴落し、今年の成長率は2桁マイナスが確実視されている。だが軍事攻撃と違い、「武器化された金融」は双方に被害をもたらす。西側諸国でも、対ロシア与信を掛ける銀行やロシアの国債や社債を保有する機関投資家などは直接の害を被っている。航空機リース業でも、多額の減損処理リスクは不可避とみられる。
さらにロシア産原油の禁輸といったエネルギーに対する制裁も、市場に強い不安感を植え付けた。米国はロシアの石油やガスへの依存度は低いが、欧州はロシアなしでは経済が回らない。原油市場で3月に一時1バレル140㌦近くまで急騰したが、まだ原油価格が安定したとは言い切れず、コロナ禍からの脱却で光が差し始めた世界経済に、再び暗雲が垂れ込めている。
それに拍車を掛けそうなのが穀物市場である。ロシア、ウクライナと言えば、……
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