4月15日、米国議員団は、蔡英文総統と会談した。メネンデス団長は、蔡英文総統に対し、今次訪問団については、中国より強い抗議の表明があったが、自分たちが台湾を訪問し、台湾を支援することを、何物も思い止まらせることは出来ない、と述べたという。また、メネンデスは「台湾は世界の最先端半導体製品の90%を生産しており、世界的に重要で影響力のある国(a country of global significance)だ。そのため台湾の安全保障は世界に影響を与える」と述べた。「国」との表現は、メネンデス以外の議員も、「米台二国間関係」と述べる等、会談ではそのまま使用された。
強調された「台湾関係法」の存在
ロシアのウクライナ侵攻以来、台湾の人々の間では、いざという時に「米国は本当に自分たちを助けに来てくれるだろうか」という疑問が発せられることが多くなっていることは、最近の世論調査の報じるところである。
ロシアのウクライナ侵略が、プーチンの思い通りに進行していれば、それは習近平指導部に「台湾統一」への追い風になると解釈されたかもしれない。しかし、最近の事態は、プーチンの狂気の焦りを感じさせるものであるが、習近平指導部にとっても、予想外の展開になっているのではなかろうか。ただし、中国が依然としてプーチンを基本的に支持しつつ、「台湾統一」については、「核心的利益」の筆頭に位置付けていることには変わりがない。
メネンデスは訪台中に、世界がロシアの侵略に注目しているときに議員団が訪台したことは、「台湾人に強いメッセージ」を送ることになったこと、「ここ台湾においても、この地域においてもウクライナのような事態は起こりうることが示された」旨述べ、警鐘を鳴らしたという。
米議院団としては、米台間には「台湾関係法」という特別の国内法があり、米国としては台湾防衛に強くコミットしているという事実を強調したかったに違いない。
これに対し、蔡英文総統がメネンデス一行に強調したことは、自由と民主主義を信奉する台湾としては、インド・太平洋における米国の最も忠実なパートナーとして積極的役割を果たし、地域の平和と安定のために努力したい、という決意であった、と本記事は述べている。