日本にも当てはまるバイデン発言の意味
ウクライナは条約上の同盟国ではなく米国にとって死活的な利益を有する国ではないため、ウクライナのために核兵器を使用するという選択の可能性はもともと高くはなかった。とはいえ、これを明言することは、ロシアによる対米核抑止が機能していることを認め、したがってロシアが「ここまでなら手出しされない」という安心のレベル、いわば〝レッド・ライン〟を示してしまったようなものだ。戦略レベルにおいて対米抑止が機能していることでロシアは戦域・地域レベルにおいてよりアグレッシブな作戦の遂行が可能になったともいえる。
このことは、日本が属する東アジアにも当てはまる。おそらく状況はむしろ複雑だ。まず、戦略レベルで……
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