2022年10月3日(月)

21世紀の安全保障論

2022年5月11日

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勝股秀通 (かつまた・ひでみち)

日本大学危機管理学部教授

1983年に読売新聞社入社。93年から防衛問題担当。民間人として初めて防衛大学校総合安全保障研究科(修士課程)修了。解説部長、編集委員などを経て、2016年4月から現職。

 施行から75年を迎えた今年の憲法記念日。ロシアによるウクライナ侵略により、無辜の民の命が次々と奪われるという凄惨な現実を目の当たりにして、新聞各紙の世論調査は「緊急事態への対応に憲法改正が必要」という意見が、読売55%、朝日59%と軒並み過半数を超えた。戦争放棄の前提であった「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して……」という憲法前文の理想は無残にも打ち砕かれ、理想を唱えているだけでは、平和を守ることはできないということを明白に突きつけられた結果だ。

2022年1月に沖縄南方で行われた日米海軍による共同訓練。日米の連携強化が急務となっている(海上自衛隊/EYEPRESS/REX/アフロ)

 ほぼ時を同じくして外務省は4月20日、「外交に関する世論調査」(調査は3月17~22日)を公表したが、日米関係、とりわけ「安全保障の強化」を期待する意見が70%を超えたことが際立っている。日本の平和と安全について、憲法記念日特集の紙面(5月3日読売朝刊)で、公明党副代表の北側一雄氏が「基軸は日米同盟だ。何が不足し、何が必要なのか、真剣に議論しないといけない」と語っているように、大国の暴挙で隣国の主権が簡単に踏みにじられてしまった今、日米同盟強化への国民の支持はかつてないほど高まっている。

 そのために私たちは何をしなければならないのか――。沖縄が本土復帰してから半世紀を迎える今こそ、その答えを見つけ出さなければならない。

三角形で描く同盟貢献策

 日本の平和と安全を支え、支援する日米同盟。それを維持、強化できるか否かは、米国に対する日本の貢献次第といっても過言ではないだろう。それを三角形で描いてみると極めて分かりやすい。

 

 三角形の内側は三つの層に分かれ、底辺には「米軍への基地提供」が置かれ、その上に「受け入れ国と国民の協力」がある。そして頂点は「米軍と自衛隊の一体化」、言い換えれば、有事に日米が一緒に行動できるという緊密な関係だ。

 本稿では、それら三層の中身が、沖縄の本土復帰から半世紀の間にどのように変化してきたのかを検証するとともに、喫緊の同盟強化策を考えることが目的である。

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