いまだ台湾に残る米国が助けてくれるかの懸念
ウクライナのケースと台湾のケースを比較することには慎重でなければならないが、「台湾関係法」という国内法をもち、台湾の防衛に事実上コミットしている米国としては、台湾を「準同盟国」として扱う以上、もし将来、中国から台湾への一方的な軍事侵攻があれば、台湾を如何に支持、防衛するか、について、今回のバーンズ発言からは、今一つ明瞭な答えは出ていないといえよう。
現在、台湾住民たちにとっての最大の関心事は、依然として「いざとなったとき、米国は助けにきてくれるだろうか」という一点に尽きるといえよう。これは、現在のバイデン政権の一大課題である。
なお、バイデン大統領は5月23日、クワッドの首脳会合のために訪日した際、岸田文雄首相との首脳会談後の共同記者会見で、台湾が攻撃された際の米国の台湾防衛の意思を問われ、「一つの中国」政策を維持するとしつつ、「イエス」と答えた。