この論文についても、同じアジア太平洋の国として共感を持つものであり、論旨には反対する箇所はありません。
アジア回帰については、オバマ政権の姿勢に、もう一つはっきりしないところがあります。しかし、これはオバマ政権がいったんは打ち出した政策であり、また、ラッドも言うように現在のアジア情勢において正しい政策であって、それを米国が確認し、継続することは、日本がもとより望むところであり、豪州に同志を得た感があります。
現在のギラード首相の姿勢にも、はっきりしないところはありますが、この秋の選挙では、保守党の復帰の予想もあります。日本は、豪州とともに、アメリカのアジア重視政策の継続を期待する立場です。
なお、米中首脳会談は、もとより必要でありましょうが、日本には、ニクソン・ショックや、最近では、クリントン大統領の三つのNOなど、頭越しをされた苦い経験があります。安倍内閣は、日米同盟強化路線であり、その路線を堅持することによって、日米の密接な信頼関係を築いて行くのが、日本外交の正道でしょう。
■「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。