「あのさぁ、ベンチとテーブルほしくない?」
ノリノリ団のお父さんたちが「うらの畑」周辺にベンチとテーブルを手づくり中。
「いいね! そうすればさあ、バーベキューなんかもできるじゃん!」
「そうだそうだ! つくろうよ!」とあいなり、PTAの賛同も得て、6年生の卒業記念品としての予算もつき、ベンチづくりとなりました。
こういった、お父さんたちがはじめた、何かよいことから次のよいことへと連鎖していくあり方を、秋津では「よいこと循環」といっています。
校庭を花でいっぱいにした「お花のおばあちゃん」
ところで、うらの畑の活動には、「お花のおばあちゃん」が育てていたお花を受けついでお世話をすることもあります。
お花のおばあちゃんの愛称で親しまれていた近藤ヒサ子おばあちゃんは、秋津のまちの誕生とともに息子さん家族と転居してきました。
福島生まれのヒサ子おばあちゃんは、少女のころからお花が大好きでした。で、団地のベランダでお花を咲かせていました。
あるときベランダから目の前の秋津小学校の校庭を見て、あまりにも殺風景な光景から「校庭をお花でいっぱいにしたいなぁ」と思いました。
当時の秋津小学校の校庭は、埋め立ての乾いた土が風に舞い、朝ベランダに干した洗濯物が夕方には黄ばむほどでした。
開校まもない木々も花もない殺風景な秋津小学校の校庭。1981年ころ。
また、植えたばかりの低い木々がまばらに校庭の隅に点在するような状態でした。
そこでヒサ子おばあちゃんは校長先生に申し出て許可をもらい、毎日校庭にお花の種を持参してまき、さまざまなお花を咲かせるようになりました。
花が咲けば、子どもたちがよってきてたずねます。
「おばあちゃん、この花はなんていうの?」
「これはね、コスモスよ」と、ヒサ子おばあちゃんは笑顔でこたえます。