2023年1月30日(月)

WEDGE REPORT

2022年6月29日

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安田峰俊 (やすだ・みねとし)

ルポライター

広島大学大学院文学研究科博士前期課程修了。『八九六四「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)で第5回城山三郎賞・第50回大宅壮一ノンフィクション賞をW受賞。近著に『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』。

負担少なく、技術を生かす
インドネシア実習生の特徴とは

 ユニークなのが、一般には悪名高い技能実習制度についても、インドネシア人の間ではそこまで評判が悪くないことだ。

 たとえば近年のベトナム人(および以前の中国人)の場合、出国前に80~150万円程度の借金が必要で、来日後はその返済に追われる〝債務奴隷〟的な立場に置かれがちだ。対してインドネシア人は出国時の費用が実費に近い20~30万円程度で済んでいることがある(ただし、田んぼや自動車、学校の卒業証明書などを担保にして、実習中の逃亡に対する違約金代わりにしているケースはあるが)。

 来日後の給料が安い点は変わらないとはいえ、借金があまりないだけに、ベトナム人らと比べても日本で働くうえでのストレスは相対的に小さい。

 普通、技能実習生は本国での仕事と日本での仕事内容にあまり関連性がなく、母国に「技術」を持ち帰ったり知識を活かして起業したりする例もあまり多くないが、漁業分野のインドネシア人実習生の場合は、現地で水産高校を卒業するなど、もともと「この分野で食べていこう」という考えから実習生になった人が多い。

 技能実習がちゃんと本人のキャリアにつながるという、他の業種や国籍の実習生ではあまりないパターンもみられるのだ(それがレアケースであること自体、問題であるともいえるが)。

船上で漁具を確認する(Soichiro Koriyama)
船内の様子(Soichiro Koriyama)

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