このことを強く示唆する証言はあっても、直接的に指摘する証言は出ていないのではないかと思われる。一つには、副大統領だったマイク・ペンスや首席補佐官だったマーク・メドウズが証言に応じていないことがあるかも知れない。
未だ動かないガーランド司法長官の真意とは?
ガーランド司法長官が未だ動かないのは、起訴しても有罪に持ち込める確信が得られないからではないかと思われる。確かに、犯意の立証は困難であろうが、やはり起訴すべきであるように思われる。
特別委員会の調査の成果は、世論に与えるインパクトもその一つに違いなかろうが、より重要なことは、司法の場で問題に決着をつけることをもって具体的な成果とすることであろう。その意味では、もし、起訴を断念するのであれば特別委員会の折角の作業を無駄に葬り去ることとなろう。
なお、6月28日にトランプの首席補佐官マーク・メドウズの補佐官だったキャシディ・ハッチンソンが特別委員会の公聴会で、トランプが暴動を意図的に扇動したことを示唆する証言をして、その内容が衝撃を持って受け止められている。しかし、同証言により、暴徒は制御不能になった抗議活動などという弁護論は崩れるにせよ、決定的とは言えないだろう。